自炊超初心者のために
自炊って何だろう?から始まって、必要な道具、労力、時間、知識を超初心者、女性視点で簡単に説明します。
ちょっと物知りなユーザーさんには向かないので、より技術的な事を詳しく説明されてるサイトさんをお勧めします。
(扱った雑誌など、若干腐女子寄りです。)
自炊とはご飯を炊くことではもちろんなく、手持ちの本を電子書籍化することです。
保存形式はPDF(AdobeのAcrobat Readerなど閲覧可能)が主流です。
ipadがあるとさらにステキな世界が広がります。
非破壊自炊と破壊?自炊
非破壊自炊とは本を裁断しないでスキャンする方法です。いろいろ調べましたが機材が異常に高額だったり、スキャンした物の質が悪かったりと、まだ今の時代では早い方法だと感じました。
対して、破壊自炊とは本のノリで止めてある背の部分をカッターや裁断機で切断して1ページずつスキャンする方法です、このサイトは破壊自炊の方の説明をしています。
最低限必要な物ー始める前に編ー
何はなくともまず気力
時間と気力がなくては始まりません。実際やってみて思ったのですが、裁断、スキャン&編集はとても単調な作業で思ったより根気を必要とします。
有り余る本
もう本棚に入りきらないし、置く場所もないとほとほと困り果て、山積みになり、でも捨てるのも売るのも嫌な人向けです。
本を裁断する勇気
これが本を愛する皆さんがなかなか電子化に踏み切れない要素ではないでしょうか?
装丁のキレイな本、気に入っている本に自らはハサミを入れるのは勇気が要りますし電子化で迷い、超えられない一番のハードルです。
まだまだ本にはハサミは入れられないと思っている方も、まずは捨てられず山積みになっている雑誌などから始めてみてはどうでしょう。
ウエイトと力
裁断機を使ってみて解ったのですが、垂直に刃を下ろすタイプの裁断機で堅い紙質の本は女性の力と体重ではなかなか難しいものがあります。
マンガ雑誌などの軽く柔らかい紙質の物でも全体重かけてやっと裁断できるといった具合です。
上記のような裁断機を扱いたい場合、男手もあるに越したことはないです。
ですが、ここは女性向けを意識して書いていますので少々手間は増えますが力のない女性でも出来る方法をお勧めします。
最低限必要な物ーさあ始めよう編ー
必要な作業工程
- 本を裁断機(またはディスクカッター)で切断できるサイズに分解する。
- 裁断機(またはディスクカッター)で本の背の部分をノリが残らない程度に切り落とす。★
- ノリ残りが無いか確認して紙を良くさばく
(紙同士がくっついていると複数枚一緒に吸い込まれます) - ドキュメントスキャナーでスキャンする。★
- 失敗した部分や不必要な部分のトリミング。
- 保存
★はレンタル機材でまかなうことも出来ます。
機材を貸してくれるレンタル屋さん
◆機材レンタル.jp
◆スキャレン.com
では、実際始めるために必要な機材を紹介していきます。
本の背を切るための機材(カッターマット、工作用カッター)
カッターマット
マットは本より確実に大きいサイズの物を用意して下さい。小さいのでも2回に分けて切ればいいかな?とか最初は思っても数をこなすうちに面倒になって後悔することになると思います。
買ったらほぼ一生物なので先を見越して大きめの物を購入した方が良いでしょう。段ボールやボール紙で代用はあまり考えない方が良いと思います、ツルッと滑って手をザックリでは割に合いません、滑りにくい素材を選びましょう。わたしは手持ちの物を使いましたがTOOの製品が表面がざらざらしていて滑りにくくお勧めです。
工作用カッター
背のノリの部分は思ったより堅く切り分けるには力が必要です。100均のカッターでは切れ味に役不足感がありますし、小型の物では握りの不安定さが心配です。刃はもったいぶらずにこまめに折りましょう、切れないカッターで無理をすると余計な力が入り疲れます、なにより怪我をする可能性もありますので滑りにくい物、握りやすい物を吟味してください。
冊数をこなしていると握力もなくなって集中力も落ちます、慣れという油断も危ないです、カッターの扱いは十分にご注意下さい。
(ロータリータイプのカッターもありますがまっすぐ切ることが困難なのでお勧めできません。)
ページをキレイに開くときにカッターのおしりに付いたねじ回しの部分や手持ちの鉄筆なんかも使いました。ページを開くのも結構な力作業です。
熱を使った背の剥がし方もあるけれど
電子レンジやアイロンを使ってページをばらばらにすることも出来ます。が、何よりも面倒なノリ残りを1ページ1ページ剥がしていくことを考えると気が遠くなります。
一気にザックリ切り落としてしまう方法をお勧めします。
裁断機orディスクカッター
裁断機
裁断機はレンタルをお勧めします。お財布とお部屋に余裕があれば買ってしまうというのもいいとおもいますが、高い、重い、場所を取る、替え刃も高いと良いとこなしとも言えます。ひとまずレンタルして様子を見てはどうでしょう。レンタル期間は短いですが、レンタルしている期間にスキャンしてしまいたい本の背を全て落とすことに集中すればいいので、5〜7日(一般的なレンタル期間)もあれば家中の本を裁断出来ると思います。
前提条件で本を裁断できる厚さ(裁断機によりますが2cm程度)に分割しておくと時間のロス無く裁断にのみ集中できます。
スキャナーと裁断機を一緒にレンタルする方法もありますが、スキャンと裁断を同時進行は精神的にキツイです。単純作業の繰り返しなので「わたしなんでこんなことやってんだろう…」ってなってきます。
また、前述のように堅い(重い)紙は女性の力と体重では切りにくい、または切れない。力に自信があれば良いと思いますが、ガルスタなんかはとうてい無理です。上質紙のような重い紙も無理でした。裁断機は使う人を選びますので「無理かも…」って方はカールのディスクカッターをお勧めします。
こんなにぺらぺらなのに「紙が重い」ってよくわからないと思いますが、極端は話、段ボールと段ボールと同じ厚さに重ねたコピー用紙、どちらの方が切る力が必要かを考えるとイメージしやすいと思います。
ちなみにですが、下にあるプラスの裁断機使用で、60kg男性でもガルスタは相当手が痛かったそうです。
ディスクカッター
普通あまり個人利用でディスクカッター持ってる方もいないかと思いますが、わたしはたまたまもっているので使用感を…
裁断機と一番違うところは「ここで確実にカットできる。」というラインが見えないこと。刃が入る位置がなんとなくでしかわかりません。わたしが持っているのが古いタイプだからかも知れません。どこまで正確なのか解りませんが、最近のは「光って解る裁断位置」だそうです。
一度にカットできる枚数が少ないので本の分解の手間が増えること(商品説明によると一度にカットできる枚数はコピー用紙40枚程度だそうです。)ディスクカッターの良いところは裁断機に比べて安価、コンパクトで軽く替え刃も安く一家に一台あっても悪くないんじゃ無いかと思わせてくれる所です。
刃を斜めに下ろすタイプの裁断機はどうなのか?
曲がらずに一度に切れる枚数が少なすぎる割に重くて場所をとり、かつ斜めに切れてしまいます。会社によくあるので使ったことがある方も多いと思いますが、キレイに切れるのはせいぜい5枚程度ですので量が勝負の自炊には問題外です。
スキャンするための機材
ドキュメントスキャナーとヘッドクリーナー
2012年現在、時代はScanSnap1500の一択です。
ScanSnap1500にはPDF編集ソフトのAdobe Acrobatの付いている物と付いていない物がありますが「Acrobatなんてなくていいわ」ってことは絶対にないので、もしAcrobatをお持ちでないのであればAcrobat付きの物でないと後々編集が出来なくて別途購入なんてことになります。
スキャンは必ず一枚ずつ確実に出来れば良いのですが、ノリ残りがあって何枚か
一緒に吸ってしまうことがありますし、スキャナのヘッド部分が汚れてくればスキャン範囲外もスキャンしてしまい、あとでトリミング(不必要な部分のカット)が必要になったりと編集作業は不可欠です。
ScanSnap1300と迷ってるけどどっちがいいの?
値段が大きく違うのでお試しならと迷われる方もいらっしゃると思いますが、スキャンスピードが雲泥の差です。比較した動画があるのですが、結果は一目瞭然です。こんなに時間かかるのなんて問題外です、ページ物を何十(百)冊もスキャンすることを考えるとScanSnap1300という選択肢は一瞬で消え去ります。
また、ヘッドの汚れに関してですが、ノリ残りがないよう気をつけていてもどうしてもノリが深いページもありますのでヘッドは思ったより汚れます。マンガの月刊誌などーで言えば一冊に一回クリーニングが必要です。ですので、こまめに汚れを拭き取る必要がありますが普通にクリーナーで拭いたくらいではノリは取れません。わたしは手持ちのディスプレイクリーナーで代用しましたが十分に役立ちました。
また、コミック紙などの柔らかい紙は紙くずがスキャナ内に溜まります。エアダスターでも良いのですが、周りに飛び散って返って散らかるだけだと思いますので静電気で埃を吸い寄せるタイプのダスターが便利でした。アレルギー体質の方はマスクも必須です。
ある程度の厚さが無いと何枚も吸い込む
あまり薄い紙をスキャンしようとするといかにScanSnapといえど一度に複数枚吸い込んでしまいます。例えば週刊アスキーの様な薄い紙質のものは結局一枚一枚スキャンする羽目になりました。まだ厚すぎて無理だったということはないのですが、薄すぎる紙質のものは無理では無いですが手間がかかります。
編集するためのソフト
Adobe Acrobat
このソフトは閲覧と編集に使います。ScanSnap1500のAcrobat標準添付を購入すると付いてきます。別々に購入するよりお買い得です。
閲覧するためのソフト、ハード
ソフト:Acrobat(閲覧のみならAcrobat Readerでも可)
ハード:tabletPC(ipadなど)があればより閲覧が快適です。なくてもPCがあれば閲覧可能ですがipad3があれば一気に世界が広がります。
保存しておく場所
PCのハードディスクにも限界があると思いますので外部の保存場所の確保が必要です。
一冊のマンガ雑誌をScanSnapのスーパーファインモードでスキャンすると、一冊大体500MB前後です、所々にカラーページが挿入されていていちいちモードを変更するのにとても手間がかかるので、全てカラーで読み込んでいます。面倒でなければ後々グレースケールに変更も出来ますがファイルサイズが目に見えて小さくなったとは感じません。紙やインクに色が付いているのでグレースケールに変更すると見づらいです。(モノクロとグレースケールの違い。モノクロは白と黒の2色だけでスキャンする設定です。グレースケールはカラーからカラーの情報を抜き取った白→黒の階調でスキャンされる設定です。)
アンソロジーは本文が白黒ですので200MB位、オールカラーの雑誌だと例えばガルスタで300MB位です。
それぞれ1年分で、マガビーなどマンガ雑誌で6GB、小bなど小説雑誌で4GB、麗人&Bravoは紙に色が付いていなく、インクが黒オンリーなので4GB、GOLDは一冊700MB近くありますので4GB。
大体ですが、こちらを参考にPCの空き容量が間に合うか計算してみて下さい。
もし今現在は間に合うようでも、日々増えると想定され、ましてやハードディスク故障でデータ救出不可など怖い事態も考えられますので、やはり外部に保存するのが安全策かと思います。
(以下編集中)
では、実際に作業した様子を写真入りで紹介します。